ジークンドー

ジークンドー・オリジナル派とコンセプト派の違いとは?経験者が徹底解説!

今回は「ジークンドー・オリジナル派とコンセプト派の違いとは?経験者が徹底解説!」についてお伝えしていきます。

ブルース・リー始祖から始まったジークンドーには二つの流れが存在しています。

今人気の石井東吾さんのジークンドーは、実はオリジナル派と呼ばれているものなんですよ!

なぜジークンドーにはこういった流れが出来てしまったのか?

これから習う人には大きな問題ですよね?

  • 具体的に何が違うのか?
  • オリジナル派とは?
  • コンセプト派とは?

以上について詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください!

 

ジークンドーのオリジナル派とはなに?違いは…?

まずはジークンドー・オリジナル派についてお伝えしていきます。

ブルース・リー自身の言葉として伝えられている内容にも、やはり誤解や間違いがあると感じます。

上記のツイートはオリジナル派、ブルース・リーからテッドウォン先生に伝えられたジークンドーを教えている、大人気の石井東吾さんとその師匠ヒロ渡邉さんですね。

その石井東吾さんが言っている内容についてまずは考察していきましょう。

 

ジークンドーにはオリジナルのスタイルがある

石井東吾さんははっきりと、ジークンドーにはオリジナルのスタイル「型」があると言っています。

こう言うのには理由があります。

ブルース・リーの教えが様々に曲解されてしまい、間違ったものが一つのジークンドーの形として広まってしまいました。

ブルース・リーのジークンドーとは「様々な武術を練習して、使えるもの使えないものを選択し、それらを組み合わせ、自分の武術を創造する

これがブルース・リーの教えだと世間に広がってしまったのです。

そしていわゆる「ジュンファングンフー」をジークンドーの技術として教えてしまったことが、誤解を生む原因になったと考えられます。

 

ジークンドー・オリジナル派の先生はテッド・ウォン

ヒロ渡邉先生はダン・イノサント先生と、テッド・ウォン先生からもジークンドーを学んでいますので、コンセプトとオリジナル両方使えます。

最終的に排除したとされるトラッピングも達人の域まで達していますね。

そんな両方学んだヒロ渡邉先生が、最後に選んだのはテッド・ウォン先生のジークンドーだったのです。

さて、テッド・ウォン先生は世間に広まったコンセプト派ジークンドーなるものは、ジークンドーではなく、ミックストマーシャルアーツ、つまり寄せ集めでしかないと言っています。

ジークンドー・コンセプトと呼ばれているものはブルース・リーの本当の武術ではないと言い切っています。

真実のブルース・リーズ・ジークンドーはボクシングやフェンシングを応用しました。

しかしジークンドーはボクシングやフェンシングでもない、ということも話しています。

ボクシングやフェンシングから戦略や原理を取り入れて、独自の体系を作り上げたものがブルース・リーが晩年教えていたジークンドーファイナルステージ。

テッド・ウォン先生が教えるジークンドーです。

これは明らかに、ダン・イノサント先生が教えるジークンドーとは異なります。

 

ジークンドーオリジナル派は修得困難

ジークンドーには三つの原理があります。

  • 一つ目は単純であるということ     (シンプル)
  • 二つ目は直線的であるということ    (ダイレクト)
  • 三つ目はノンクラシカル(伝統に囚われない)ということ (ノンクラシカル)

経験者視点で話をさせてもらうと、石井東吾さんが教えるジークンドーの内容というものは非常に緻密な動作を要求されます。

石井東吾さんはテッド・ウォン先生が非常に厳しかったと言われていました。

それだけ長い時間と、厳しい練習に耐えてきたから今があるのですよね。

ジークンドーの練習過程では練習内容が複雑、または細かすぎて非常に苦痛になってくることがあります。

つまりそのパンチはこうでなければならないという、科学的に裏打ちされた構造があるのです。

それを練習を重ねて表現しなくてなりません。

個人のクセなるものは、徹底的に修正しなければならないのです。

そうしなければその形にならない。

完成しないのです。

練習をするということはジークンドーを表現するまでの長い長い訓練の時間なのだと感じます。

これはジークンドーに限ったことではありませんよね。

その道のプロになるには、徹底的に練習を積み重ねるしかないのですから。

技を増やすのではなく、洗練された少ない技術であらゆる状況に適応させていけるよう、ジークンドーの技術は構築されているそうです。

これから学ぶ人は覚悟を持って門を叩いてほしいと思います。

石井東吾さんのジークンドー教室についての記事はこちらから

 

ジークンドーのコンセプト派とはなに?違いは…?

ジークンドー・コンセプトといえば中村頼永さんの団体、IUMA日本振藩國術館が有名ですね。

おそらく世間ではこちらのジークンドーが先に広まったと考えられます。

有名なV6の岡田准一さんもこちらのジークンドーを習得し、インストラクターの資格を取得していますよ。

 

ジークンドー・コンセプト派にはトラッピングがある

ブルース・リーの映画「ドラゴンへの道」を使って、中村頼永さんは解説されています。

この解説の動画をみると、中村頼永さんの動きがブルース・リーに酷似していることが分かると思います。

つまり、このドラゴンへの道のブルース・リーの動きがジークンドーとするならば、中村頼永さんが教えているジークンドーも、ジークンドーと呼べるはずですよね?

そしてこのブルース・リーが戦いの中で行っているトラッピングという技術も、ジークンドーのはずなのです。

ではなぜジークンドーが、コンセプト派とオリジナル派と区別される、または違うものとして扱われるのでしょうか?

そこを追及していきましょう。

※トラッピングの技術を簡単に説明すると

  • 相手の手を叩いて動きを封じると同時に、別の手で攻撃
  • 相手の腕を掴み、自分の方へ相手を引っ張ると同時に別の手で攻撃など

 

ジークンドー・コンセプト派の先生はダン・イノサント

上記のツイートにあるように、ダン・イノサントさんが3つの免状を持っていたのは知らなかったです。

3つの免状をよく見てみると

  • ジュンファングンフー(振藩功夫)
  • ジークンドー(截拳道)
  • 振藩拳道

と書いてあるようです。

最後の振藩拳道とはいったい何なのでしょうか。

そしてジークンドーの免状があるのに、どうしてコンセプト派のジークンドーはジュンファングンフーと言われるのでしょうか。

ブルース・リーのジークンドーが最終的に進化、変化していったことから、そのラストステージを知らないダン・イノサントさん。

当時の教えを生徒に伝え続けているだけで、それは当時の段階でのジークンドーであり、なにも間違ったことをしていないのではないか?ということが考えられますよね。

問題なのは、最終段階のジークンドーというものが存在している点。

それと比べた時にダン・イノサントさんが教えるジークンドーが全く別の内容を教えている、というのならば区別する必要があるのでしょう。

そこを次で考察していきます。

 

ジュンファングンフーとジークンドーは別物

ブルース・リーのプライベートスチューデントだったテッド・ウォン先生は、一番近くで、ブルース・リーのジークンドーを見ていた、学んでいた、最もジークンドーを理解していた一人です。

そのテッド・ウォン先生が言うことをまとめます。

  • ブルース・リーがスクールで教えていたものは詠春拳を源流とするもの
  • その名称は「ジュンファングンフー
  • この教えがいわゆるコンセプト派が教えているジークンドー
  • ブルース・リー → ダン・イノサント → 中村頼永
  • その技術はウィンチュン・ダミー(木人)とトラッピングがメイン
  • これらはジークンドーファイナルステージでは排除された

プライベートレッスンでブルース・リーが教えていたものそれは。

  • ブルース・リーズ・ジークンドー
  • ブルース・リー → テッド・ウォン → ヒロ渡邉 →石井東吾
  • これはスクールで教えていたものではない
  • ブルース・リーが自身が行っていたもの、研究していたもの
  • つまりジュンファングンフーではない
  • 詠春拳とジークンドーは全くの別物(共通点は無いとしている)

ブルース・リーはスパーリングパートナーであるテッド・ウォン先生とのスパーリングの中で、新しいことを考えついた時、実践で試し練習していたということです。

詠春拳とジークンドーは完全に別物というこの言葉は、はっきり言ってショックを受けます。

コンセプト派の練習にはウィンチュン・ダミーやトラッピングがありますよね。

これを完全に否定しているわけですからね…。

ジュンファングンフーとジークンドーの違いについての記事はこちらから

 

ジークンドー・オリジナル派とコンセプト派の違いとは?:まとめ

今回は「ジークンドー・オリジナル派とコンセプト派の違いとは?経験者が徹底解説!」についてお伝えしてきました。

ブルース・リーが教えていた時期により、内容が違うことから、ジークンドにはコンセプト派とオリジナル派という2つの流れが出来てしまったようです。

しかし、どちらもブルース・リーが教えていた武術で間違いはないのです。

確かに最終段階のジークンドーは、そこまでの過程で進化したものなので、それをジークンドーとするのが正しいのかも知れません。

だからといって、過去のものを完全に否定することは出来ないと思います。

これから習う方はよく考えて、ご自身に合った選択をしてくださいね!

ここまでお読みいただきありがとうございました。